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「動物と仲良く暮らすための知恵」を受講しました!

くろまろ塾運営ボランティア スタッフ2018年10月02日 18:00 |

みなさま、こんにちは!
くろまろ塾運営ボランティアの後藤です。よろしくお願いします。
大学連携講座-大阪府立大学編-動物と仲良く暮らすための知恵
[1]9月6日「獣医師の仕事を通して動物との共生を考える」
[2] 9月20日「人と動物の共通感染症の話題を中心に、動物との共生を考える」
を受講しました。
今日は、第2回目をレポートさせていただきます。

講師は、大阪府立大学生命環境科学研究科 獣医学専攻 教授の笹井和美先生です。
府大のりんくうキャンパスにある病院で、獣医さんとして診療もなさっておられます。

前回、狂犬病の怖さを教えていただきました。海外旅行中アメリカの公園で、おとなしい野生のリスを撫でようとして噛まれてしまうと、7年後に狂犬病を発病する可能性があるという話には驚きました。
狂犬病は、すべての哺乳類がかかる病気で、発症してしまうと死亡率ほぼ100%(発症前に早期に治療すると高い確率で助かるそうです。)の怖い病気ですが、麻痺型の狂犬病というのがあり、狂犬病を発病し動けなくなった野生動物は要注意で、海外でうかつにリスなど野生動物に触るのは危険なのだそうです。さらに潜伏期間は通常1~3ヶ月ですが、それよりも長い場合があり、最長で7年後に発病したことがあるので、何年も経って噛まれたことを忘れた頃に発症することもあるそうです。

今回は、狂犬病以外にも多岐にわたる人と動物の共通感染症について、詳しく教えていただきました。
動物から人へ、人から動物へ感染する共通感染症は、感染症全体の7割にもなるそうで、結核の人が多い大阪では、天王寺動物園のサルが結核に感染してサル山を閉鎖したことがあったそうです。見物客が与えたえさなどを通し感染した可能性が指摘されています。

最近、家族の一員として動物を飼うことが増え、人と動物のかかわりはより親密になり、動物由来感染症(ズーノーシス)に感染する可能性が高くなっています。さらに、薬剤耐性菌が人と動物と環境で循環していることが明らかになってきました。そこで、獣医師と医師の連携、“One Health(ワンヘルス)”という考え方が重要になってきているそうです。
以前は、養鶏場で成長剤の代わりに抗生物質が使われたりしたそうですが、耐性菌が問題になっている現在はそんなことはなく、人と家畜では使用される抗生物質はきちんと分けられて、量も制限されているそうです。

 

昨年、犬と猫の飼育数が逆転して、猫の飼育数のほうが多いそうですが、猫は散歩させる必要がなく、飼育数が増えているようです。
エイズや白血病など猫から猫へうつる病気もあり、室内で飼うように啓発活動が行われています。
もともと日本には、ツシマヤマネコとイリオモテヤマネコ以外の野生の猫はいなかったそうで、飼っている家猫が逃げ出したり、無計画な繁殖で飼いきれなくなったりした猫たちが町猫、地域猫となり、問題になっているようです。

講義では、1年以内に新聞記事になり、注意した方がよい共通感染症を、時間が許す限りたくさん取り上げてくださいました。
ここでは、その中のいくつかを紹介させていただきます。
まず、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ですが、マダニ媒介の感染症で、和歌山県の50代の女性が死亡して話題になりました。私は、植物園でボランティア活動をしているので、野山に出かけることも多く、友人たちがマダニに噛まれた話もよく聞いていたので、怖い病気が出てきたなと思っていました。今回講座を受けて、正確な情報を教えていただき、さらに気をつけなければいけないと思いました。
感染経路はマダニを介したものが中心ですが、野良猫に噛まれたり、飼い犬の唾液から感染した例もあるそうです。まだ研究が進んでいなくて(予算がつかないそうです。)、有効な薬がなく、致死率は6.3~30%だそうです。
野山のマダニ対策はディートの入った虫除けスプレーで万全のつもりでしたが、先生のお話で、犬用のダニ忌避剤は100%の効果があるが、人用のものは100%の効果は見込めないことも知りました。

 

トキソプラズマ病について、注意すべき点を教わりました。
この病気は、世界の3分の1の人が抗体を持っており、普通は心配する必要のない病気ですが、妊婦さんが初めて感染すると流産したり、障がいのある子どもが生まれたりするので、気をつけなければいけません。
猫の便の中にオーシストという形でトキソプラズマ原虫の卵が排出されるので、ガーデニングの時や、猫の毛に付いたオーシストを手からまたは、火をよく通していない肉(75度1分以上)を口から摂取することで感染します。
オーシストは消毒もホルムアルデヒドしか効かないことや、感染力を持つのは20℃~30℃で1日~5日経って成熟してからなので、猫の便を直ぐに処理すると感染しにくいこと、海水中で数か月も生存すること、猫の体調で検査してもオーシストは便の中に出ないこともあるが、ずっと検査すると猫100頭中1頭は必ず出ることなど、初めて聞くことばかりでした。
身近な人が妊娠とわかった時には、教えてあげなければと思いました。

昔は、日本脳炎が蚊を媒介して起こる病気として恐れられていましたが、日本脳炎が減少した現在、北アメリカでウエストナイル脳炎という蚊を介して感染する病気が注目を集めています。
この病気は本来は鳥の病気で、ニューヨークでカラスの大量死を調べると、ウエストナイル脳炎のウイルスが見つかったそうです。鳥から蚊へ、さらに人へ感染し、脳炎を引き起こし、今年は18人の死者が出ました。
日本にはまだ侵入していませんが、飛行機で運ばれてくる可能性があり、関空では蚊のモニタリングを行い、監視体制をとっています。写真は機内の蚊をチェックする様子です。
北アメリカへ旅行するときは、蚊に刺されないように注意が必要です。

他にも、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症、レプトスピラ症など気を付けなければいけない共通感染症を、時間があるかぎり教えてくださいました。アライグマやネズミが媒介する感染症や水を通じて感染する病気など、知らなかったことばかりでした。

講義を受講して、私たち人間は動物から病気をうつされる危険性と隣り合わせで生活していることを知りました。
先生は、「飼育動物のほとんどは健康で疾病の原因になる可能性は極めて低いので、怖いとか動物と触れ合うのを止めようとか思わないでほしい。元気な人にはうつらない。抵抗力が落ちていて更に運の悪い人がたまたま発症するけれど、人も動物も早期に適切な治療を受ければ回復するのだから。」と、講義の最初と最後に強調されました。動物と共に暮らすことで得られるものは限りなく大きいと思います。正しい知識を持たないがために動物から病気をうつされることのないように、基本的な注意を払うことで感染を防ぎ、動物と仲良く暮らしていきたいと思います。

最後に、今回もくろまろ塾運営ボランティアの仲間が司会、受付やアンケート回収に活躍してくれました。
お疲れさまでした!! (^o^)/

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