みなさま、こんにちは!
お久しぶりです。くろまろ塾運営ボランティアの後藤です。
今回の高野山大学連携講座は
第一回 高野山中国人留学生-密教を媒介とした日中文化交流-
第二回 弘法大師空海の生涯-高野山開創とその背景-
でした。
第二回をレポートさせていただきます。
よろしくお願いします。
毎回大人気の高野山大学連携講座とあって、
今回も万全のコロナ対策の下で大勢の方が受講されました。
講師の高野山大学文学部密教学科准教授 櫻木 潤先生は、四年前にも「弘法大師空海の生涯」をテーマに二回にわたりご講演くださいました。(第一回 入唐前の軌跡、第二回 上は国家の奉為にして、下は諸の修行者の為に)
「歴史学」の手法は、あくまで史料に基づいて歴史的真実に迫っていくものとおっしゃり、「歴史学のおもしろさ」を説かれました。私は高野山に上がって三年目の新進気鋭の歴史学者櫻木先生のマジックにかかったように、史料を読み進むにつれ弘法大師空海に惹かれ、魅力にハマってしまいました。
「弘法大師空海をよりくわしく知りたい方へ」と添付してくださった参考文献を図書館で探して読み、その頃ちょうど映画化されていた『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』(夢枕獏著)四巻を一気に読んだことを懐かしく思い出します。
今回の講座ではどのような弘法大師空海像を講義して下さるか楽しみでしたが、まず先生の博士論文が「祟りの研究」だったという意外なお話から講義が始まりました。
なぜ人は祟りを恐れるのか、御霊信仰にはどのような歴史背景があるのかという研究をされたそうです。
1200年前、毎年のように起こる疫病の流行や、地震、日照りや水害などの自然災害の頻発は、無実の罪を着せられた人々が祟りを起こしているのではないかと考えられたそうです。
韓国ドラマ顔負けの皇位継承をめぐる宮廷内の争いで、排斥され非業の死を遂げた人々は怨霊になり天災や疫病を起こすと考えられたので、これを鎮めて御霊とすることで祟りを免れようとしたそうです。
科学的に研究することができる現代とちがい、当時は疫病の原因も治療法も分からず、人々はどれだけ心細く、救いを願ったことでしょう。
コロナ禍の今、中世ヨーロッパのペストや100年前のスペイン風邪のことがよく比較されますが、弘法大師空海の活躍されていた時代も1200年前の遠い出来事ではなく、今まさに新型コロナという疫病流行の真っただ中にいる私たちにつながるものがあるはずです。
「歴史とは、過去と現在、そして未来との対話である。」(E・H・カー)を挙げられて、コロナ禍の今、そしてポストコロナの未来に向けて私たちは何を学ばなければいけないのか、弘法大師空海の高野山開創に何かヒントはないか、「お大師さんに語ってもらおう!」と講義がスタートしました。
弘仁7年(816年)、空海は嵯峨天皇に高野山の開創を願い出ますが、その上表文に
「空海少年の日、好んで山水を渉覧せしに、吉野より南に行くこと一日にして、更に西に向かって去ること両日程、平原の幽地有り。名づけて高野と曰う。・・・」とあります。
さらに「深山の平地尤も修禅に宜し」ともあり、山々に囲まれた盆地である高野山が特別の場所であることがわかります。
普通、山は下界を見下ろせるが、高野山は下界を見下ろせないと教えていただき、あらためて高野山が特別な山なのだと気づかされました。
下が高野山全図ですが、元来全山すべてが金剛峯寺だったそうです。
高野山開創をめぐっては、丹生津比売が土地を献上した話、狩場明神の二匹の犬に導かれた話、唐から投げた三鈷杵が松に掛かった話などの伝承がありますが、いずれも空海が示寂した後のものだそうです。
講義では、弘法大師空海がどのような思いで高野山開創を目指したのか、
と、”空海のことば”を読み解きながら考えました。
これらの書簡から、空海がいかに用意周到に高野山開創に向けて準備をしていたかがわかります。
下は、空海と嵯峨天皇です。
唐の恵果から学んで持ち帰ったのは都会の仏教であり、さらに都の中心で絶大な権力者嵯峨天皇と親交を深め、大きな寺を任されていた空海がどのような思いで高野山開創に至ったのでしょう。
冬の高野山の気候の厳しさ、雪の多さを教わりました。
けれども冬が一番良いことも。
高野山を開いてすぐの小さな庵のなかで、冬の厳しい修行に励む「お大師さん」の姿が思い浮かびます。
空海にとって高野山は特別の山であり、高野山で亡くなられたことで終には高野山と一体になり、1200年後の現代まで「お大師さん」と敬われる存在になったのかもしれません。
最後に、今回もくろまろ塾運営ボランティアの仲間が司会、受付やアンケート回収に活躍してくれました。
お疲れ様でした!
皆さまこんにちは。キックススタッフです。
12月に入った途端グッと気温が下がり、いよいよ冬本番といったところでしょうか。
巷ではカラフルなクリスマスグッズがあちこちに並んでおりますので・・・、
キックスでも毎年恒例、クリスマスツリーが登場しました!
いつものことながら見ごたえのある大きさですね。圧巻です!
ツリーの下で佇む彼も、今年も出番がやって参りました。
そろそろ名前をつけるべきかと思ったりもします・・・。毎年ありがとうね!
こちらは小ぶりなツリー。リボンをたくさんつけるのは昨今の流行りなのでしょうか。
私事ながら、自宅のツリーは昭和(親世代のもの)・平成(自分のもの)・令和(子どものもの)とつごう3種類そろっておりまして、時代によってさまざま変わっている飾り事情をくらべて楽しんでおります。
筆者は昭和末頃の生まれでございますが、代々ツリーを残しておくというのもおもしろいものです。
さて、話がそれましたがキックスにお越しの際は、ぜひツリーもご覧くださいね!
皆さまもそれぞれのクリスマス、そして年末へと続く日々をどうぞお健やかにお過ごしくださいませ。
皆さまこんにちは。キックススタッフです。
本日は大学連携講座-高野山大学編-のご案内です。
中国(唐)に渡って密教を学んだ空海。
その生涯と、近代における密教を媒介とした日中文化交流の様子に迫ります。
12/5(日)9:00より受付開始です。
インターネットからのお申込みはコチラ≫≫
皆さまこんにちは。キックススタッフです。
10月の急な気温降下により、今年は秋がないのかと思っておりましたら、今月に入ってからのほど良い気候。
どうやら少しばかり実りの秋・彩り豊かな季節を楽しめそうですね。
さて、本日はこちらの講座をご案内いたします。
大学連携講座-大阪府立大学編-
中世説話集の世界 源顕兼編『古事談』のおもしろさ
平安末~鎌倉初期に生きた公卿、源顕兼の手による説話集『古事談』。
古の人々の歴史認識や世界観を紐解くのが、古典を読む醍醐味でしょうか。
師走のひととき、どうぞ思索の旅をお楽しみください。
11/5(金)9:00より受付開始です。
インターネットからのお申込みはコチラ≫≫
皆さんこんにちは。くろまろ塾ボランティアの西岡です。
新型コロナの感染者数が、少し落ち着きかけてきました。まだまだ安心は出来ませんが、くろまろ塾も定員数を絞るなど、徹底的な感染対策をして講座が開かれています。今回は「アフターコロナの観光」と題して、和歌山大学編4回シリーズが開催されました。
第1回目の「森林空間利用の現代的意義」に参加しましたので、レポートします。
はじめに、和歌山大学観光学部(学部長)の尾久土教授から挨拶がありました。尾久土正己教授は、実は河内長野市在住で、市の観光振興計画に策定委員長としても参画頂いています。
今回の講師は、森林経済学、森林政策学、観光学が専門の、若くてハツラツの和歌山大学観光学部大浦由美教授です。本日の講座では、特に「森林空間の観光レクリエーション利用」という点に力点をおいて解説頂きました。
日本の観光を振り返ってみると、永く団体旅行が主流だったのが、1980年代には体験プログラムなどがはやり、個人旅行の時代が到来しました。1990年代では大規模リゾートは失敗し、地域の独自性や多様性に注目が集まる時代に、そして2003年には「観光立国宣言」がありインバウンドの需要が急に膨らみました。昨今、コロナ禍では「ソロキャンプ」や「山を買ってキャンプ」なんて言葉がブームになったりしました。また、ブラタモリが話題になり、私たちの観光に対する視点にも変化が表れ始めています。
そこで、河内長野の観光について考えてみると、森林を切り口にして地域や歴史をアピールし、地域住民の誇りを回復するような取り組みが適していることが見えてきました。成功事例として、スキー客の激減から立ち直った長野県信濃町の「癒しの森事業」を紹介して頂きました。重要なポイントは、「観光振興」だけでなく地域を巻き込んだ「地域づくり」の活動こそが新たな発見や、活動が根付くことに繋がるということでした。
なお明日以降、以下の観光関係の和歌山大学の連携講座が予定されています。楽しみですね。
10月31日(日)は、「観光映像を用いたプロモーション」木川剛志 教授
11月13日(土)は、「観光地の経営と人材」竹林昭 教授、山﨑友起子 氏(南天苑)
11月14日(日)は、「観光と技術革新」尾久土正己 教授
最後に、今回もくろまろ塾運営ボランティアの仲間が司会、受付やアンケート回収に活躍してくれました。お疲れさまでした。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 2月 | ||||||
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |